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Date INSTRUCTOR INTERVIEW

四季の花に心寄せ 暮らしに豊かさを

2018.07.19 平本拓也 | 花のひと

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デイトワークショップスタジオで花いけの講師をされている平本拓也さん。花を愛し、寄り添い続けてきた平本さんの哲学と想いをお届けします。

日本の自然、こころの風景

特別な想いもなく飛び込んだ花の世界。毎日生花店で仕事をしていくうちに、花の魅力に引きこまれるようになりました。20代前半からの10年間は店で学んだ実力を試したい気持ちで、フラワー協議の全国大会に力を注ぎました。大会は結果がすべてのシビアな世界。上位入賞を目指して試行錯誤し必死に取り組みました。ですが、ふと立ち止まって自分の本当に好きな花って何だろう?と考えたとき、それは大会で競う花とは別の「花」なのではないかと思ったんです。その「花」を求めて、独立。以来、「花のひと」という肩書で活動しています。今扱っている花は日本の野山に自生している草花や山野草です。懇意にさせていただいている生産者の方の山に入らせていただき、季節ごとに採取しています。私は理屈抜きで、日本人が当たり前に身近に触れてきた自然に心惹かれるんです。

花に寄り添う豊かさを知る

ワークショップではまず、そんな季節の草花を見て、触れて、感じて欲しいと思っています。その日の草花を見て、みなさん「このお花はなんですか?」と驚かれることが多いのですが、実はそういう草花も近くの山に自生しているものだったりするんです。そんなことに気づくだけで、日常の身近な自然に関心が向けられるように。近所の道端に咲いている花でもいいんです。心を花に向けて、そしてじっくり見てみてください。そして理想を言うなら、その花について何か想いを巡らせる時間を少し持って欲しい。私のワークショップが花に寄り添う生活の豊かさに気づくきっかけになればと思っています。

花をいけ、心を整える

「いける」という行為には必ず人間の作為が入ります。ですが私は花を自分の思い通りの形に作り込むことはしたくありません。私の花いけは自分の思い描いた形に近づけようとするものではなく、「花と花」それぞれの調和を考えます。花をいけている時、花が自分の思い通りにならないと「この位置に花が咲いていたらいいのに」とか「ここがこう曲がっていたらいいのに」なんて、つい思ってしまいます。まずそのような心の状態に自ら気づくことが大切です。そして、心の中にある「思い通りにしたい」というエゴを手放し、心を整えることが、花を美しくいけるコツだと思うんです。

ありのままの美しさに気づく

ワークショップでは毎回、花の姿をよく見てみてくださいと伝えています。どう生えているのか、どの蕾が咲きそうなのかなどじっくり観察して、花にゆっくり寄り添ってみる。大切なのはそのままの美しさに気づくことです。朽ちた枝や葉も自然の姿。いければ美しさにつながります。花って「無償」なんです。ただただ美しく咲いている。そんなものって他にはないですよね。だから、心が揺さぶられる。それを感じてもらいたいんです。どのように感じるかは人それぞれでいい。感じかたの強要はしません。でも、少しでも日々の暮らしの中にありのまま花を感じる時間を持ってもらえたらと思います。

花の表情はひとりひとりの感性

ワークショップではまず、その日にいける植物の名や由来を知り、またその特徴や佇まいを事前にいけた作品を鑑賞して感じることから始めます。その後、参加者の方が実際に花をいけます。もちろん要所で説明はしますが、器を選ぶところから基本的に参加者の方におまかせします。季節の様々な花を準備していますので時間の許す限り何度でもいけてください。 私が手を加えるのは花をいけ終えた後に必要に応じて。花の表情を引き出すのはみなさんそれぞれの感性なので正解はありません。自然の花の姿や動き、表情などがより美しくみえる花いけをしていただけるようなアドバイスを心掛けています。最後にその日の総括の意味でデモンストレーションをさせていただくので、そこから何かを感じていただけたらと思っています。

まずは花を愛でることから

同じ花でも向きを変えるだけで大きく印象が変わるので、花をよく見て観察しながら、そしてなにより自分の心と向き合いながらいけていきます。自然の中でどの向きで生えているのか、咲いているのかを知ったうえでいけると自然な印象になるのでそこはお伝えします。私のワークショップには花をいけた経験の少ない方が参加されることが多いのですが、経験が少ないからうまくできないということではなく、むしろその方のいけられた花にハッとさせられることも。私自身とても刺激になり、学ぶことも多いんです。教室で使った花は持って帰っていただき、ぜひ自宅でもいけてください。

花とともにある暮らし

極端な言い方かもしれませんが、花を家族のように思ってもらえたら毎日の暮らしがきっと楽しくなります。花はそのままでも十分に美しいけれど、自分が少しだけ手を加えることでより愛着がうまれます。朝、花が咲いているのを見たら「よし、今日もがんばろう」と力が沸いてくるかもしれません。そんな風に花が日々の暮らしの中で身近なものになればいいですね。デイトのワークショップは1日だけで完結するので、構えずに参加していただけるのがいいところ。ぜひ肩ひじ張らずに花に会いに来てください。そして花と向き合い、自分と向き合い、心が整う時間を体験していただきたい。そんな風に、花いけを通じて毎日の暮らしがより豊かになるお手伝いができたらと思っています。

 

Profile
平本拓也

花のひと。1981年広島県呉市生まれ。生まれ育った広島県を活動の拠点とし、草・木・花の自然の姿、四季の美しさに触れ表現の原点を見つめる。自身の考える植物と人とを繋ぐ時間「ひととき」を創作している。
http://hiramoto-takuya.jp/

Instagram:@hiramoto.takuya
「花いけ」教室はこちら

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