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Date INSTRUCTOR INTERVIEW

創造力・観察力・思考力 子どもたちの生きる力を育むアート[後編]

2018.10.11 梶木淳子 | アーティスト

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「自由にどうぞ」では何もできない

ワークショップデザインはとても奥が深く、たとえば導入の時に何をするか?という1点だけでも念入りに検討します。たとえば、何もない状態で「じゃあ、ご自由にどうぞ」と言われても何もできないですよね。自発的に興味を持って自分でやってみたくなる導入とはなにか。さまざまなワークショップを実施した経験から、今でも心がけているのは、子どもたちが普段なにげなく興味をもっているものの中から、引き出してあげること。たとえばイメージを引き出すきっかけとして「好きな色は?」と問いかけてみる。その後に「その色から思いう浮かぶものって何がある?」と連想ゲームのようにイメージをつなげてどんどん発想が膨らんでいくように。興味深いワードがでてきたら、それはどこで知ったのかとか、なぜそれが好きなのかも問いかけたりします。そういう会話の中から、どんな観点で物事を見ているのかをその子自身が再認識したり、私自身もその観点を知ることができ、よりその子がオリジナリティを発揮できるような手助けをしやすくなります。問いかけと答えを組み合わせてデザインしていく感覚です。こどもデイトでも、どれだけ子どもたちのオリジナリティを誘発するしかけを作れるかということにこだわってワークショップをつくっています。

生きる力に寄り添う思考力を

ワークショップの中で一番大切にしているのは、子どもたちとのコミュニケーション。たとえば「どこかの国でおもしろいキャンディをみつけました。それはどんなキャンディ?」と問いかけてみたら、まず、その国がどんな国なのか、住人がどんな人なのかを自由に想像するように促します。すると「その国には早口の王様がいて、住人たちが困っているから、このキャンディを食べたらゆっくり話すようになる」とか、子どもたち自身が普段感じている物事と想像をつなげたりすることで、面白い発想が生まれてきます。ひとつのキャンディから、「国〜王様〜性格〜キャンディ」と様々な観点で発想をつなげていけるような、多角的な思考力を身につけてほしいと思っているんです。そうすれば、つらいときがあったら楽しいキャンディのことを想像することで気持ちが明るくなるかもしれない。生きる力に寄り添う、そんな力がワークショップの楽しい時間の中に芽生えたら、育ったらいいなと思っています。

アートがさまざまな興味の入口に

アートは興味の入口になる可能性をもっていると思っています。ものに触れ合うことや材料の選択は自他の関係性のスタート地点になります。ものづくりを通していろいろなものと向き合い、関心を寄せることで、子どもたちの世界が広がるきっかけを提供できるよう材料や資料を入念に準備します。たくさんの素材は子どもの想像力を刺激します。図鑑や写真があれば、観察力アップにつながります。ものを作る機会はものを知る機会でもあって、野菜の観察画を描いたことで「苦手なピーマンを食べてみよう」と思った子もいたほど。よく見て自分で描くと興味も親近感も沸きますよね。ワークショップで子どもたちができるだけ自由に力を発揮できるようにするために、こんな質問がきた場合はこんな材料や資料があったほうがいいかな、とワークショップで起こりうることは可能な限り想定して臨むことで、時間いっぱい、子どもたちの創造の芽を思う存分開かせてあげたいと思っています。

作品を通して子どもとコミュニケーション

こどもデイトでは家で飾れるものを、それがあると日常がちょっと豊かに感じられるようなものを作ります。ぜひご家庭で作品を飾って、家族からお子さんへ作品の感想を伝えてあげてください。子どもは作品に対してのコメントをもらうことによって、自分の作品がまた違った見方でみえてくるかもしれません。お子さんから作品を見せてもらったら、その完成度だけではなくて、背景にある世界観を聞いてみてあげるといいですね。小さな作品だとしても、話が止まらないほどいろんな思いが込められているものもあると思います。こどもデイトの参加者は年長さん~小学6年生でリピーターの方が多いのが特徴です。親子一緒になって楽しみにしてくださる方もいて、中には、デイトでつくった作品をならべるギャラリーを家の一角に作ってくれているご家族も。家のみんなが見るところに飾ってもらうのは嬉しいですよね。嬉しい、楽しい気持ちを大切に、ぜひおうちでもどんどん作品をつくってみてほしいです。

 

 

 

Profile
梶木淳子 | アーティスト

1988年広島生まれ。2011年広島市立大学 芸術学部 現代表現領域卒業。2013年広島市立大学大学院 芸術学研究科 博士前期課程修了。「アトリエぱお」造形教育研究所 こどもクラス非常勤講師。身の回りの様々なものごとに対して好奇心を抱き、新しいことを考え出す能力である「ファンタジア」※をのびのびと発揮しながら、豊かな創造力を磨いていけるようなワークショップを発案する。デイトでは生活空間に彩りを与える作品づくりをしていきたい。また、水滴がついているような iPhoneケース 《 Suteki Suiteki 》や、化粧品で描かれた花の絵《 make up 》のオリジナルテキスタイルでポーチなどを制作している。
※ブルーノ・ムナーリが好んで使った「自由な発想の能力」を指す言葉。
http://junko-kajiki.com/cv/
Instagram:@junk097
「こどもデイト」教室はこちら

 

PLACE
アートギャラリー ミヤウチ

広島県廿日市市宮内字高通4347番地2
TEL:0829-30-8511
http://miyauchiaf.or.jp/agm/
Instagram:@artgallerymiyauchi

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