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フランス仕込みのプロの技を おうちでも楽しく、カンタンに

2018.10.23 松田雅彦 | パティシエ/松田屋 店主

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デイト ワークショップスタジオで「お菓子」を担当する松田雅彦さん。お菓子の本場、フランスで磨いたプロの仕事を、家庭でも気軽につくれるようにアレンジした人気のワークショップについてお話を伺いました。

一流パティスリーに圧倒される

広島県呉市にある実家「松田屋」は昭和6年創業のお菓子屋です。祖父がせんべい屋を始めて、父がそれを継ぎました。父の代からは洋菓子も製造、販売しています。店はいつも忙しくて、わたしも子どもの頃からよく手伝わされました。なので、「お菓子屋」に楽しそうな印象はまったく持てなくて(苦笑)、家業を継ぐ気はこれっぽっちもなかったんです。高校卒業後は広島を出て、神奈川県にある総合大学へ。大学時代はひたすら自分が熱中できるものを探していました。就職活動をする段階になっても、どこかの企業に就職して働くという具体的なイメージが沸かず、自分が何をやりたいのかもわからない。でも何もしないと始まらないと思ったので、近所の洋菓子屋さんでアルバイトを始めたんです。そこで同じ街にある全国的に有名なパティスリー「Tadashi YANAGI」のことを教えてもらって。お店に行ってみたら、強烈な衝撃を受けました。やっぱり一流はすごいなって。お店もお菓子も華やかですべてが洗練されている。圧倒されました。この体験がきっかけで、お菓子の道に進むことを決意しました。

世界的重鎮のパティシエを紹介してもらう

大学卒業後は製菓の専門学校へ進学。専門卒業後、葛飾区にある「パティスリーコトブキ」に就職しました。コトブキの社長はフランスの製菓業界と繋がりのある人。職場訪問の時に社長が「うちのお店で3~4年頑張ったら、フランスで働ける場所を紹介します。あなたの夢を応援します。」と言ってくださって。コトブキはいつかお菓子の本場であるフランスで力を試したいと思っていたわたしにとって、この上なくありがたい環境でした。社長は毎日早朝から夜遅くまで誰よりも働きながら、私を職人として懸命に指導してくださいました。支えてくれた社長のご家族やコトブキを就職先として紹介してくれた専門学校の恩師にも感謝の念は尽きません。4年ほど経った頃、社長は約束どおりわたしをフランスへ送り出してくれました。しかもなんと、パティスリー業界の重鎮、ステファン・グラシエの元へ。ステファン・グラシエはフランスの国家資格「MOF」を持つ、本当にすごい人。MOFはパティシエなら誰でも取れるような国家資格ではなく、人生を掛けて取得を目指すような厳格な資格なんですよ。

フランス修行を経てドバイ店立ち上げへ

パリの郊外にあるステファン・グラシエの店はスタッフ6~7人の小さな店。ケーキだけではなくクロワッサンやブリオッシュも作っていました。日本のように気軽に軽食を買えるコンビニがないためか、フランスには街のいたるところにパン屋があるんです。わたしもお店で出すクロワッサンやブリオッシュ作りを覚えました。憧れのフランスの地で、楽しく充実した日々を過ごしましたが、はじめての海外生活だったので、言葉には苦労しました。とくに最初の頃は言葉の壁もあったためか、同僚たちから同等に見られていないように感じ、悔しい思いもしました。でも、徐々に仕事に慣れ、実力を存分に発揮できるようになった頃には、家族のような付き合いになっていました。その後、支店をドバイに出すことになったため、フランスからドバイへ。ドバイで店舗の立ち上げなどを手伝ったのち、日本に帰国しました。

気軽に本場仕込みの洋菓子を

帰国後は実家の「松田屋」を自分の思うとおりに自由にやらせてもらっています。大きな店ではお菓子の種類ごとに担当が決まっていることが多いのですが、うちはひとりで作っているので、チョコレートから焼き菓子、飴細工までなんでも作ります。人気なのはやはりショートケーキやロールケーキなどの定番のお菓子。素材はできるだけ季節のもの、自分で実際に食べてみておいしいと感じるものを使うようにしています。手に入れにくい素材を使うと、販売価格が上がってしまい、気軽に買いにくくなるので、できるだけ無理なく手に入るものを。作ったお菓子を試食するときはいつも「どうしたら、もっとおいしくなるのか」と考えます。より魅力的なお菓子になるよう、試行錯誤をひたすら繰り返す日々です。

ホールケーキまるごとをワークショップのお土産に

デイトのワークショップではひとりにつき必ずホールケーキ1台を作って、まるごと持って帰れるようにしています。もちろんその場でもみんなで試食をするのですが、それは試食用のものを用意しているので、持ち帰り分はまるまる1ホールです。ぜひ、ご自宅などで自分がつくったケーキを誰かと一緒に食べる楽しい時間を過ごしていただけたらと思います。ワークショップでは、まずわたしがデモンストレーションをして、そのあとでみなさんで実際に作ってもらいます。毎回、簡単に作れるものを用意するのですが、この「簡単にする」っていうのが難しい。レシピは複雑にするほうが簡単なんです。「簡単でおいしい」これがいちばん難しいですね。ワークショップ用に「簡単でおいしい」を叶えるレシピを考えるのは面白いけれど、正直結構大変です(苦笑)

足し引きでレシピを更新

もちろん部分的にではありますが、店のレシピをそのままワークショップでも使うことはあります。とくにクリームはお店の味を楽しんでいただきたくて、店のレシピをそのまま使うことが多いです。今はどこにでもレシピがあふれている時代なので、そもそも「オリジナルのレシピ」というもの自体が存在しないですよね。わたしの場合は、今までやってきたことをベースにしながら、甘く感じるなら砂糖を減らす、という具合に、ベースのレシピに足し算引き算しながら自分のレシピを更新しています。もちろん、本を読んで参考にすることも。仕事の合間を縫って、いろんなお店に行って研究もしています。

「シンプルで簡単」から始めよう

ワークショップではお菓子をつくる工程も、できるだけ簡単だと感じていただけるようにシンプルに構成しています。材料は計量済のものをこちらで用意しておきますので、あとはみなさんが混ぜて、焼いて、飾り付ければ出来上がり。道具の使い方から丁寧に教えますので、すぐご自宅でも実践できると思います。「お菓子は科学だ」とよく言いますが、たしかに「こうするから生地が膨らむ」とか理論、理屈もあるけれど、それよりなによりまずは簡単につくれるということ、案外難しくないんだっていうことを知っていただけたら嬉しいです。そこからスタートして、少しずついろんなお菓子づくりの面白さに気づいていってもらえたらいいですよね。でも教えるのって結構難しくて。上手に伝わっていればいいなと実は毎回悩みながら(笑)ワークショップをやらせてもらっています。

 

 

Profile
松田雅彦 | パティシエ/松田屋店主

広島県呉市生まれ。東京、フランス、ドバイでの経験ののち、実家の菓子店「松田屋」3代目として店を切り盛りする。特技は飴細工。
Instagram:@masahikomatsuda
「お菓子」教室はこちら

PLACE
松田屋

創業昭和6年。ふるさとの心を大切に、おいしいおせんべいをつくるという姿勢をつらぬき、一枚一枚丁寧に焼き上げる「呉大和せんべい」は呉の銘菓。松田さんの手掛ける洋菓子はそのおいしさもさることながら、繊細で華麗な芸術作品を思わせるデコレーションも必見です。

広島県呉市本町22-8
0823-21-3223
https://dessert-shop-492.business.site/

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